学会誌「産業・組織心理学研究」
企業従業員の働くことの意味醸成プロセスに関する探索的検討
正木 澄江(筑波大学)
岡田 昌毅(筑波大学 )
本研究の目的は,従業員の働くことの意味醸成プロセスを明らかにすることである。日本企業で働く30代の就業者14名を対象に,半構造化面接を実施した。分析は,修正版グランデッド・セオリー・アプローチにより行った。その結果,6カテゴリグループ,14カテゴリ,14サブカテゴリ,59概念が生成された。主な結果として,1)働くことの意味づけは,従業員が社会の中で自分の価値を見出す中で,働くことの個人的な理解を深めていくプロセスであり,2)そのプロセスは,組織における社会的関わりと仕事の実践により促進され,3)中でも,働くことの意味を促進する対人的葛藤の重要性が示唆された。
キーワード : 従業員, 働くことの意味づけ, 意味醸成プロセス, 修正版グランデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)
「産業・組織心理学研究」に掲載された論文についてはJ-STAGEにて全文閲覧することが可能です。