大会・部門別研究会
産業・組織心理学会 第36回大会 ーワークショップ
ウィズ・アフターコロナにおける産業・組織心理学:
新しい働き方のもとでイキイキと働き、成果を上げるために
企画趣旨:
我が国で新型コロナウィルスの感染が確認されてから1年以上が経過しました。その間、いくつもの感染拡大の波にさらされながら、組織で働く環境も劇的に変化した。例えば、従来のように職場に出勤して同僚と同じ空間で仕事をする形態から、自宅などで働くテレワークが急速に広がり、新しい働き方として定着しつつある。会議の開催方法も、参加者がある部屋で一堂に会する形式から、離れた場所からオンラインツールを使って意志決定に参加するようになった。
しかし、こうした劇的な変化に伴って、様々な課題や問題が至る所で生じることも様々な調査結果から明らかにされつつある。テレワークが広がるにつれて、孤独感やストレスを抱える人やモチベーションの浮き沈みに苦慮する人も発生している。また部下と物理的な距離があるが故にかつてのマネジメントも通用しなくなっている。これらは、テレワークの下での働き方や、オンラインによるチーム活動など、従来の産業・組織心理学が蓄積してきた理論や知見では十分に説明できない現象に直面していると言えるだろう。
本学会では、こうしたウィズ・アフターコロナと呼ばれるニューノーマルな環境において産業・組織心理学の観点から有益な知見と実践的示唆を提供するために、2020年6月に「ウィズ・アフターコロナにおける産業・組織心理学」と題する特集企画を募集し、その成果が第35巻1号として刊行される予定である(2021年6月上旬現在)。
そこで、本ワークショップでは、特集号で発表頂いた論文の中から数名の先生方に成果をご発表頂き、そしてウィズ・アフターコロナと呼ばれるニューノーマルな環境において働く個人やチームがイキイキと働き、成果を上げるため示唆や条件を考えていく。
企画・司会:
池田 浩(九州大学)
話題提供者:
池田 浩(九州大学) テレワークのもとでの自己調整方略: 自己調整方略の効果とそれを醸成する上司からの被信頼感
中川裕美(神戸学院大学) コロナ禍のテレワークおよび仕事と家庭の境界管理がワーク・ファミリー・バランスに与える影響
縄田健悟(福岡大学) COVID-19感染禍でのテレワークとチームワークの関連性
安達悠子(愛知大学) Web会議の適切な開催の実現を導く要因の探索:Web会議の参加者と主催者の観点から
指定討論:
古川久敬(九州大学名誉教授)