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産業・組織心理学会 第39回大会 | 常任理事会企画シンポジウム
産業・組織心理学における創造的な産学連携とは:
企業と研究者双方の期待とそのズレ、そして創造的なコラボレーションのあり方を探る
企画趣旨
産業・組織心理学において、企業をはじめとする組織は、研究者が研究テーマを基に具体的な研究アイディアを着想し、そして定性あるいは定量データを収集する必要不可欠なフィールドである。しかし、本来、企業と研究者はそうした営みに限った関係に留まらない。企業と研究者が同じ問題意識を共有しながら共同研究に取り組むケースをはじめ、研究者が研究アイディアや仮説を深めるため、あるいはエビデンスに基づいた支援を行い、その効果を検証するため組織現場により踏み込んだ研究協力を求めることもある。他方、企業も学術的な根拠に基づくサーベイ開発をはじめ、経営活動に資する様々なツールやコンテンツの開発など、研究者が有する専門性を引き出しながらコラボレーションを必要とすることもある。しかし、現実は、研究者と企業はそれぞれ抱く期待や思惑にズレが生じることも珍しくない。ここに企業と研究者との産学連携の難しさがある。では、企業と研究者はいかに創造的なコラボレーションを実現することができるだろうか。
産業・組織心理学会は、会則の第 2 条に「この学会は組織とかかわりを持つ人間行動の理解に関心を有する研究者ならびに実務家間の連携・協同により、学問の進歩及び社会の発展に寄与することを目的とする。」と掲げているように、その学問分野の特性から、企業をはじめ様々な組織との密接な関係が求められており、両者のあるべきコラボレーションを探ることは学会の発足からの理念とも付合する。
本シンポジウムでは、企業と研究者とのコラボレーションを行っている企業の実務家と研究者から、それぞれの事例を紹介頂きながら研究者と企業はそれぞれが抱く期待やそのズレなどをご紹介頂き、両者による創造的なコラボレーションのあり方を探っていく。それを踏まえ、本学会の法人会員と一般会員との交流や連携などが一層活性化するための示唆を得ることを目指していく。
企画 : 産業・組織心理学会 常任理事会
司会 : 池田 浩(会長:九州大学)
話題提供者 :
坂爪洋美(常任理事 : 法政大学):理論と実践の往復:心理学の強みと課題
森永雄太(上智大学) : ”探偵型”産学連携の探求
本間友貴(公益財団法人日本生産性本部) : 双方にとって益となる産学連携のあり方とは?
佐々木孝仁(三井物産人材開発株式会社) : 事業会社が研究者とつながる際の“3つの壁”
指定討論 : 今城志保(常任理事 : 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ)