大会・部門別研究会

第2回 JAIOP研究力向上セミナー 「実証研究における序論とは:研究レビューを中心に」

テーマ
実証研究における序論とは:研究レビューを中心に
開催日時
3/4(土) 14:00 ~ 16:00
開催場所
Zoomウェビナー形式によるオンライン開催
概要
学術論文には、標準的な構成があると思われます。アメリカ心理学会(American Psychological Association; APA)は、学術論文報告基準(Journal Article Reporting Standards; JARS)を公表して、心理学論文の標準的な構造や報告すべき要素を提示しています(https://apastyle.apa.org/jars; Appelbaum, et al., 2018)。JARSは、量的研究,質的研究,混合研究法などに分けて標準的な学術論文の様式を示しています。量的研究における最上位の項目(見出しを)を取り上げると、「題目; ”Title Page”」, 「要約; “Abstract”」, 「序論; “Introduction”」,「方法; “Method”」, 「結果; “Results”」, 「考察; “Discussion”」の6つに分かれます。一方で、標準化を試みるとしても、「序論」と「考察」は、形式化がなかなか難しい部分であると思われます。論文を執筆した経験のある会員の皆さまであれば、誰しもが思いあたる節があるのではと拝察します。
そこで今回のセミナーは、実証論文における序論の執筆をどのように進めていくかについて取り上げたいと思います。 JARSは、序論を「問題; Problem」、「関連する学術研究のレビュー; Review of Relevant Scholarship」 、「仮説、ねらい、目的 ; Hypothesis, Aims, and Objectives 」 に整理・区分しております。しかし、このような区分が意識されたとしても、序論の執筆が直ちに容易になる訳ではないと思われます。
そこで、今回は、国内外の雑誌に多くの研究論文を発表されている3人の先生方にご登壇いただきます。先生方には、適切なレビューの進め方、ひいては序論(Introduction) の書き方についてお話をいただく予定です。具体的には、レビューを執筆する際に気を付ける点、苦労をする(した)点、査読者の心象や印象を害さないための工夫や気をつけるべき点などについて先生方のご経験にも触れながら自由に論じていただく予定です。最後に、参加者の皆さんからの質問や疑問も広く受け付ける時間を設けたいと思います。
登壇者
大渕憲一 (東北大学 文学部名誉教授)
 私は、序論の書き方だけでなく、研究活動を本格的に進めようとしている方々の後押しとなるような点を中心にお話ししたいと思います。第1に、良い指導者を得ることの重要性をお伝えしたいと思います。OJTのように作業しながら学ぶことは、研究スキルを身に着ける着実な手段です。第2に、私は、実験、調査、事例研究など異なる研究方法を、それぞれの長短を考慮し、対象や局面に応じて使い分けてきました。一方で、特定方法に拘るとんがった研究者もリスペクトしてきました。自分の軸となる研究方法を見定める重要さについて、お話したいと思います。第3に、研究を進める際に理論がいかに重要であるかについて改めて強調したいと思います。データを集めて分析すれば何らかの結果は得られますが、それを繰り返していても進展はありません。知見は理論という枠組みの中に位置づけることによって、本来の意味を持つようになり、次の段階の仮説生成に生かせます。本セミナーでは研究を進める上でこうした基本的な視点について、いくつか述べてみたいと思います。

縄田 健悟 (福岡大学 人文学部)
 序論の書き方とは,方法・結果セクションの前に書くように,実施した調査・実験に先立つ研究計画そのものです。とすると,的確かつスムーズに「論文の序論」の執筆へと繋げられるように研究計画を前もって立てておくという視点が重要です。このような序論執筆に繋がる先行研究レビューと研究計画構築という点を中心に,私も日々悩みながら失敗しながらですが,個人的に気をつけていることや体験談をお話いたします。

関口 倫紀 (京都大学 経営管理大学院)
学術論文に含める先行文献を特定し、論文全体の構成や流れに沿うようにそれらの文献を配置することは、慣れないと難しい作業です。なぜならば、学術論文に含める先行文献の役割には、論文が対象とする研究分野の現状を把握するものや、論文内で構築する理論や仮説を導出する過程で根拠として用いるものなど複数あるからです。どの文献をどこに配置するのか、取捨選択する際にどこまで含めるのかなどの考え方や具体的な方法について、読み手の視点に立って考えてみます。
企画
産業・組織心理学会 常任理事会
司会
林 洋一郎 (慶應義塾大学院経営管理研究科)
参加費
学会員 無料
非会員 3,000円
申し込み
事前申込制
ページ下部よりのお申し込みください。お申し込みにはPeatix(外部サイト)の会員登録が必要です。なお、会員と非会員では参加申し込みフォームが異なります。

学会員の方:会員宛てのメールにある案内の専用ページからお申し込みください。当サイトの「会員ログイン」にもお申し込み先を掲載しています。


一般の方(非会員の方):下記の「お申し込みはこちら(Peatix)」からお申し込み下さい。
お申し込み締め切り
2023年2月28日(火)
注意事項
・録画・録音,ZoomミーティングURLの転送・共有・公開,申込者以外の方の参加は,固くお断りいたします。
・参加申込時に登録いただいた個人情報は,本研修会の受付・運営の目的にのみ利用いたします。
・参加チケットの譲渡はできません。
キャンセルポリシー (非会員のみ)
・やむを得ない事情で参加を取りやめる場合,参加申込期間内に(チケット販売期限までに)キャンセルを申し出た場合に限り,代金を払い戻しいたします。
・参加申込期間終了後は,不参加の場合であっても払い戻し致しません。
・キャンセルの申し出方法や,返金手数料については以下のPeatixヘルプを参照ください。
受付終了

お申し込みいただいたご参加者のPeatix視聴ページにはZoomにリンクする「イベントに参加」というボタンが掲載されています。Zoomをダウンロードの上、お時間になりましたら「イベントに参加」からご参加ください。

PAGETOP