第116回 部門別研究会 (組織行動部門)不合理な人間行動と組織マネジメント - 行動経済学と組織行動論の融合
- テーマ
- 不合理な人間行動と組織マネジメント - 行動経済学と組織行動論の融合
- 開催日時
- 2015年3月7日(土) 14:00〜16:30
- 開催場所
- 筑波大学社会人大学院キャンパス 1階120講義室 (〒112-0012 東京都文京区大塚3-29-1)
- 趣旨
- 人間が必ずしも常に客観的な合理的判断を行うとは限らないことは指摘するまでもない。むしろそれが正しいと信じ込んで不合理な選択をすることさえも多いことが、行動経済学の発展によって組織経営の現場でも広く認知されるようになってきている。行動経済学は心理学研究を基盤に発展し、当初からマーケティングや消費者行動論と密接に関係づけられて議論されてきた。また、産業事故を防ぐ観点から、人間工学と連携して安全工学や組織の安全管理の文脈でもその重要性が広く認識されている。
組織マネジメントの重要課題が、的確な判断と意思決定であることを考えれば、組織行動の理解を深めるうえで、行動経済学的視点を取り入れて議論することは、理にかなったアプローチであろう。今回は、そうした観点から、行動経済学領域における気鋭の研究者お二人に話題提供をいただく。
坂上貴之氏 (慶應義塾大学) は、学習に関して実験的行動分析の枠組みに基づき、行動の生成、変容、維持のプロセスを解明する卓越した研究を続けられてきておられる。今回は、その延長線上に経って、人間の行動と意思決定の不可思議さに光を当てる行動経済学の歴史についてお話しいただく。
西村直子氏 (信州大学) は、経済学を基盤にしながら、アダム・スミスの言う「見えざる手」が市場に存在するのか、というリサーチ・クエスチョンを基盤に、オークション場面を題材にして、感情や人間関係の影響を鋭敏に受け、確率認知の揺らぎも持つ人間の意思決定に、市場競争という冷徹な状況がどのように影響するのか、研究を進めておられる。今回は、組織経営と組織行動を行動経済学の視点から捉え直す話題をご提供いただく。
また、社会心理学を基盤にした組織行動研究者である企画者の山口から、行動経済学と組織行動論の融合による新たな可能性について話題提供を行う。組織の意思決定研究の第一人者である長瀬勝彦氏 (首都大学東京) からの指定討論を皮切りに、参加者と議論しながら、組織行動をよりよく理解するための新たな視点を切り開くことに挑戦したい。
- 話題提供者
- 坂上貴之 (慶應義塾大学):行動経済学とは何か-その歴史とoverview
西村直子 (信州大学):組織経営と組織行動を行動経済学的視点から捉え直す
山口裕幸 (九州大学):行動経済学と組織行動論の融合による新たな可能性
- 指定討論者
- 長瀬勝彦 (首都大学東京)
- 企画・司会
- 山口裕幸 (九州大学)
- 参加費
- 無料 (会員・非会員とも) お気軽にご参加下さい。
- アクセス
- 丸ノ内線茗荷谷 (みょうがだに) 駅下車「出口1」徒歩2分程度
http://www.tsukuba.ac.jp/access/bunkyo_access.html